新解釈四十八願

関口藍子Aiko Sekiguchi

「四十八願」を題材に、また、それが性体位の技である四十八手の由来であることも加味して、極楽浄土には至高の快楽が存在するという新たな解釈をもとにビジュアル制作を行いました。 四十八願とは、あらゆる生き物が極楽浄土に生まれ変われることを願い定められた祈りです。その極楽浄土とは、人間が抱える苦がなく、欲求が満たされた場所。そこに至るためには、信心という願いを受け止め、信じる心が求められてきました。今回、私は四十八願から四十八手への変遷に着目し、性体位の四十八手を取り入れることで、新解釈した四十八の願いの視覚化を目指しました。性や快楽をテ ー マとしたこの表現は、従来の宗教的観念に新たな視点を加え、人問の欲望や感情を肯定的に捉える試みです。ここで提示する快楽とは、単なる一時的な享楽ではなく、自己の理解や自己の存在を受け入れるための入り口であると考えます。 このビジュアルを、「見て、受け止め、祈り、瞑想する」ことを通じて、至高の快楽に満ちた、極楽浄土を体験してもらえればと思います。
Kondo Seminar