お結び
橘美月
おにぎりは、語呂合わせから「鬼を斬る」と捉えられることから厄除けの意味を持ち、おむすびと言う呼び名には「結ぶ」という言葉が含まれているため、縁結びを連想させます。このことから、私はおにぎり型のお守りを作りたいと考えました。お守りの中にはお清めされた白米と木のおふだが入っており、自分の願いに合ったものを持ち歩きます。そして、願いが叶ったらそのお米を実際に炊飯して食べることで、願いを体内に取り込み、消化して昇華させるという意味を込めています。既存のお守りを購入したり贈られたりした際、願いが叶った後もそのまま保管している人は少なくないのではないでしょうか。その点を踏まえ、願っただけで終わらないことにも着目しました。お守りに用いるモチ ー フとなる具材には、語呂合わせやその形から緑起の良い意味が紐づけられるものを選びました。例えば、海老は背が丸いことから老人に見立てられ、「腰が曲がるまで健康で長生きできるように」という願いが込められています。自分だけでなく節目を迎える大切な人への贈り物など、願いや祈りに寄り添った作品になればと思っています。
Mochizuki Seminar


