THE GRAPHIC DESIGN
FINAL EXHIBITION
2024

「怖い」「気持ち悪い」
こういった感情は人間にとって当たり前に備わっているものだ。そしてそう思うもの、その度合いに関しては非常に大きい個人差がある。私は恐怖を抱くことについて何ら恥ずべきことではないと考えている。それは自分を傷つけるものから遠ざけ、自己を守るためのものだと考えているからだ。しかし、自分にとって理解し難い他人の恐怖を軽く考え「臆病だ」と笑う人がいることも事実である。
Wikiphobia は「恐怖症」をテーマとして制作した。この作品を通して、少しでも不快感や恐怖を感じてもらえたらと思っている。そしてもしそう感じたのであれば、たとえ自分にはわからなくとも誰かの恐怖を受け入れてほしい。恐怖を感じることは生物として然のことであり、なんら恥ずべきことも異常なこともない。それは想像力の行き着く先かもしれないし、過去のトラウマにより引き起こされるものかもしれない。この作品を見て何人たりとも他人の恐怖を軽視し嘲笑うことはできないと感じてほしい。その行為には何の正性もないのだから。