革の絵本/Where is there?何がある?

福知悠大Yasuhiro Fukuchi

触覚という感覚は当たり前に存在しているが、風を感じ、地面を踏み締めるという私たちがこの世界に存在していることを実感できる感覚です。そんな触覚は、大人になるにつれて、そこまで意識される感覚ではなくなります。また、スマホが日常生活の一部になったことでよ り、ものを触る意識と疎遠になってしまいます。そこで、 革というもの珍しい索材を扱うことで、再度触覚を意識 してもらいたいと考えています。また、絵本という媒体を通しことで、子供の視点でしか見られない革という素材を発見してもらいたいと考えています。絵本のストーリ ーは多くの革を使うため多様性をもとにストーリーを構成しました。人種や生き物には様々な種類があり、 姿形や質感は違いますが、その内面には共通して命というものがあります。姿形に違いはあっても、本質的には 皆平等であるという部分に焦点を当て、ストーリーを制作しました。この絵本の物語を読むことで偏見のない目 でものを見るきっかけを作り、さらに、本に触れるとい う体験から日常の中に潜む様々な物を見過ごすのでは なく、触れていく、そのきっかけ作りとなる絵本を制作 しました。
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