学科セレクト

さよならのかたち

深山果奈Miyama Kana

別れとは、人生の中で誰もが経験する喪失であり、悲しみを伴う出来事です。人との別れ、物との別れ、思い出との別れ。かたちはさまざまですが、どれも私たちの心に深く残ります。しかし、私はそんな別れをすべてが終わってしまう瞬間ではなく、自分を形づくる大切な経験のひとつとして捉えています。たとえ失われたとしても、その時間や感情は痕跡となり、私たちの中で生き続けていくのではないでしょうか。
本作は、落とし物のような日常の小さな別れから、引っ越しや死別といった人生の大きな別れまでを、ひとつの流れとして描いた絵本です。人を直接描かず、共通する物をモチーフにすることで、同じ形が少しずつ変化しながら現れ、記憶が受け継がれていく様子を表現しています。
別れは辛いものですが、その先には必ず続きがあります。
この絵本が、別れに向き合う誰かのそばに寄り添い、前を向くきっかけになれれば幸いです。
Hagiwara Seminar