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世界一平和的な支配

大越瑞生Ogoe Mizuki

気づけば、生活もお財布も、少しずつ明け渡していた。
ペットと暮らす日々の中で、そんな感覚を抱いたことが、この絵本のはじまりです。一見すると、ペットが自己中心的に振る舞い、家族がそれに振り回されるだけの支配関係。しかし家族は、それを拒むどころか自分から望んで支配されにいくという不思議。そして確実に得られる幸福な時間。この関係は単なる支配ではなく、お互いに時間や心を差し出しながら成り立つ、共生だと定義しました。本作品では、ペットと家族の間にある、独特で愛おしい関係性を描いています。物語はあえて一本の筋を持たず、王様気分のワンちゃんが見ている壮大な妄想の世界と、淡々とした現実の日常が切り替わっていきます。その行き来の中で、少し誇張された空想と、どこか可笑しい現実が重なり合い、ペットとのゆるやかな「支配と共生」の関係が浮かび上がります。
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