MAEGAMI

高城千夏Takagi Chinatsu

中高生の頃を思い返してみると、私にとって「前髪」は今よりも特別な存在だった。校則やルールに縛られた中で自分を表現する大切な一部。自己表現の場としての「前髪」が確かに存在しているだろう。
本作品は、「前髪と思春期」をテーマに、思春期特有の揺れ動く心や自意識が、顔のごく一部である前髪に表れる現象に着目したイラストレーション作品。中高生が前髪に抱くこだわり。長さ数ミリの違いで世界の見え方が変わるような感覚や、日々の気分さえ左右するほどの執着は、自己像を探し続ける時期ならではの象徴ともいえるだろう。本作では、「なぜ私たちは前髪という小さな部分に執着するのか」という問いを出発点に、個々人が抱く前髪への思いに寄り添いながら、見た目と感情、自意識と他者の視線が繊維に絡み合う思春期の感覚を可視化する。この作品を通して、前髪に共感を寄せる中高生はもちろん、そうでない人々にも思春期の感性を理解するきっかけを提供したい。
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