優秀賞

Pieces of Mine

姜ムルソリMulsori Kang

私をつくるかけらたち。その中でも、最も大切にしているかけらたら、いわゆる「チャームポイント」をテーマにしたイラスト集です。日本人と韓国人、計50名を対象に最も好きな身体の部位とその理由を尋ね、記録しました。
自分の好きな身体の一部に目を向けることで、自分自身を見つめ直し、「自分が好きな自分」を新たに発見してもらうことを目的としています。
爪や髪の毛、横顔や後ろ姿もまた自分なのに、日常の中で見ることはほとんどありません。私たちは本当に、自分のことをきちんと見ている、知っていると言えるのでしょうか。
完璧な外見への執着が当たり前になりつつある社会の中で、自分を終わりなく直し続けるのではなく、自分だけが持つ姿を見つけ出し、愛さずにはいられなくなることを願っています。
Nakayama Seminar
カンさんは、たくさんの人々の「自分の身体のお気に入り」と「その物語」を集めました。SNSが生んだ、他者に見せびらかすための「映える(ばえる)」表現や、「盛る(もる)」と呼ばれる過剰演出、ルッキズムに象徴される「誰かと比べられる毎日」に脅かされて、自分のこと素直に愛せない若者が増えている中、カンさんは丁寧に他者への取材を重ね、本人だけが知る自分の愛すべき身体を、美しく採集(描きあげる)することに挑みました。その優しく重ねられた水彩によるイラストと、美しいテキストによる凛とした完成度を評価し、優秀賞に選出しました。日本でも韓国でも加熱する「コンプレックス社会」。それに対する静かな抵抗。普段からクールなカンさんにしか創れない秀逸な作品です。
中山ダイスケ 教授 評
【協力】
ボックストア