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- 東北芸術工科大学 デザイン工学部
グラフィックデザイン学科 - Tohoku University of Art and Design
Department of Graphic Design
こんにちは!山形はおやまのてっぺんに雪が積もっていて、とても可愛らしい風景になっています。
そんな中、いよいよ以前告知した、秋田の版画作家・池田修三さんの展覧会が始まります!
雪の中、東京から今回の展覧会の企画ディレクター・藤本智士さん、アシスタントの山口はるかさんが池田さんの作品を運んできてくれました!(拠点は神戸。なんと全国を車でまわっているのです!)
平年より早い初雪でスタッドレスタイヤを履いておらず、ひやひやのドライブ...ご無事でほんとうに良かった...!
到着早々、グラフィックデザイン学科のギャラリーで展示開始です!
藤本さん、ものすごい集中力でレイアウトを進めていきます。
(きっちり図面を引かず、現場の雰囲気を見てから決めていくそうです)
学生スタッフも藤本さんがいらっしゃるまでに、ポスターやフラッグ、外のバナーの取り付け、などなど、
ほんのわずかですが、協力させていただきました。
夕方には非常勤講師である萩原尚季先生と、事務所のスタッフも駆けつけて下さり、
手作りの会場が出来上がりました!
版画作品だけではなく、版木や、作品集が出来るまでの赤字入り色校正紙も展示しています。
グラフィックデザイン学科での展示ということで藤本さんがアレンジして下さいました。
搬入から一夜明けて、いよいよ展覧会オープンです!
初日からたくさんの学生や一般の方が観に来て下さいました;;
が、そんな中、大学周辺で水道管が破裂し、断水するかもしれないとの情報が...。
17時以降の授業は休講、すみやかに帰宅すること、とのアナウンス...。
今日は夜にトークショーと、藤本さんを囲んでの芋煮があるのに...!!
なぜこんな大切な日に...、と打ち拉がれている私に、藤本さんが
「めっちゃおもろいやん!」と声を掛けて下さいました;;
さまざまな取材や旅をする中で、ハプニングをおおいに歓迎する藤本さん。
スタッドレスなしでの高速もおもろかったそうです...(笑)
なんやかんやでトークにも人が集まり、
「のんびり(※)」のつくり方〜地方から、ニッポンの未来を提案する方法〜
が始まりました!
※「のんびり」とは秋田県が発行しているフリーペーパーで、藤本さんが編集長をつとめておられます。地域フリーペーパーでは他に類を見ない斬新な切り口と編集で話題になっています。
萩原尚季さんにナビゲートしていただき、藤本さんの自己紹介から、いままでのお仕事の話し、「のんびり」を作ることになった経緯を話して下さいました。
雑誌「BRUTUS」の特集の一部や、文藝春秋で「東北の手しごとを買いに。」などを編集されてきたりした藤本さんですが、
クライアントがいると現場で面白いと思ったものを掲載出来ないもどかしさがあって、
自身が編集長となり、広告を入れない雑誌「Re:S」を創刊します。
Re:Sとは「Re:Standard」の略。「あたらしいふつうをつくる」をテーマに、
テーマをざっくり決め、日本全国行き当たりばったりの旅をしながら、奇跡的な出会いを記事に落とし込んでいきます。
そんなRe:Sを見てくれていたジャニーズ事務所の方から声がかかり、
嵐が日本を旅して魅力を発見する本、「ニッポンの嵐」の編集を手がけることになります。
Re:Sを作りながらも、「伝わる人にしか伝えられていないのでは」という不安から、
いったんRe:Sを休刊して「最高のエンターテイメントであるディズニーランドとジャニーズのライブ」に行きたいと思っていた矢先のオファーでした。
捨てることで、新しい発見や、次への一歩につながっていく。
桜井章一さんの「他人の捨て牌は見ない。答えは自分の捨て牌にある」という言葉に出会ってRe:Sの休刊を決心されたそうです。
「のんびり」を編集することになったのは、今までの旅や企画展の出会いからのつながり。
秋田県庁の方がPRツールを検討していた時に、
大手代理店に頼ること無く、その眼で選んだのが藤本さんの企画した「のんびり」でした。
「のんびり」という言葉は決してポジティブな意味だけではないけれど、
秋田はのんびりだったからこそ、大切なことがたくさん残っている。
池田修三さんが暮らしの中で息づいていたのも、そこに象徴されます。
「秋田の未来を作りたいんじゃない。秋田っていう県から、ニッポンの未来を作るためにのんびりを作っている」
藤本さんは宝ものがたくさん残る秋田から、大切なことを紡ぎとり、発信しています。
トークの内容全文掲載したいくらいですが、それはぜひ「のんびり」を読んだり、
のんびりの前に編集長をされていた「Re:S」や、Re:Sをまとめた「ほんとうのニッポンに出会う旅」を読んでいただけたらより深く藤本さんの考えに触れられると思います。
トーク後、やっと芋煮会場の公民館へ。
藤本さんと山口さんに喜んでいただけて本当によかったです;;
スタッフのみなさんも、ほんとうにありがとう!
初めてのグラフィックデザイン学科での本格的な展覧会を成功できたのも、
みなさんのおかげです。
のんびりポーズで記念写真!
2週間に渡っての展示になりますので、たくさんの方に観に来ていただけたら嬉しいです。
池田修三展「センチメンタルの青い旗」
〜特別編 一冊の作品集ができるまで〜
会期:2013年11月13日(水)~26日(火)
時間:10:00~18:00(土曜日は17:00まで)
※通常学生が使用する学内ギャラリーを一般開放致します。火、水、木曜日の14:00~17:00は隣室で授業を行いますので、お静かにご観覧願います。
会場:東北芸術工科大学デザイン工学実習棟B 2Fグラフィックデザイン学科 ギャラリーB
住所:山形市上桜田3-4-5
休館日:日曜日(23日は祝日ですが特別に開館しています)
入場料:無料
お問合せTEL:023-627-2190(平日:10:00~17:00)
◎池田修三(いけだ・しゅうぞう)プロフィール
1922(大正11年)、秋田県象潟町生まれ。木版画家。1977(昭和52年)日本版画協会を退会しフリーに。1980年代に秋田相互銀行(秋田あけぼの銀行)のカレンダーや通帳、NTTや日本生命などの企業カレンダー、テレホンカードなどに作品が採用され、広くその名を知られるようになった。2004(平成16年)に82歳で死去するまで、情緒あふれる子どもたちの情景やロマンあふれる作品を創り続けた。
http://www.shuzoikeda.jp